ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2017.7.11 13:05

今日の日記

ある小説家の先生の取材で、昼間、某大学を訪れたのだけど・・・。

若いって、ハツラツって、すごいよね。
猛暑のなか、こちらは汗だくでドロドロに溶けて、パソコン担いで
「肩と背中が痛いわあ…」
とか思いながら、あご突き出し気味でキャンパスをさまよったんだ
けど、そこかしこに、汗をかいても爽やかで、ぴっちぴちのままの
大学生がいっぱい。
なんか、みんな、汗が、蓮の葉に落ちた水滴のように、ぷりっと
輝く玉のようになってるんだよ。
茶髪も黒髪もパーマも、そよ風になびいてツヤツヤ健康的。
こちらは寝不足で細った髪が湿気吸って、もわ…もわ…。
10代、20代とともに並んで立ってはいけないと思ったわ。

お会いした先生とは、20年ぶり。
大学時代に文芸の講義を受けていた先生だった。
お変わりなく、かっこよかった。
当時も大人気の先生で、ほかの大学から潜り込んで授業を聞きに
来る学生がいっぱいで、席をとるのが大変だったな。

ほかの媒体の記事なのであまり詳しく書けないけど、
このごろは、ネットで検索して見つけたような、
「パッケージ化されたセンテンス」を繋いだものが「文章」だと
思っている人があまりに多いという話が印象的だった。
自力でオリジナルの文章を書ける人があまりに減った、と。
まるで、コンビニの食べ物しか食べたことがないように、素材を
自分で料理することを知らない、と。

たしかに、このごろ特にネット媒体の記事って、
読んでいてリズム感が狂う、つまづくような文章が多いもんな。
自称ライターに書かせたもので、職人の仕事じゃないなと思う。
あと、熱がなかったり。
これ。「書きたい」と思って書いてないだろ、という。

「思想」とか「イデオロギー」と言われるものにも似たことが
言えると思う。
お仕着せの、パッケージ化された、具合のいいものを摂取して、
なんとなくお腹を満たしているだけのコンビニ脳。
もはやイデオロギーとも言えない、ただの「落書き脳」。
それは「落書き」に失礼か。落書きって創造的だから。

三浦瑠麗さんがゴー宣道場にゲストでいらしたとき、
自称保守のことを「インスタントラーメンみたいな保守」と
表現されていて、うまいこと言うなあと面白く聞いていたけど、
昨今の権力擁護の三浦さんの言論を読み聞きするにつれ、
まるでインスタントラーメン化しているじゃない…と思ってしまう。

そして、そういうインスタント製品を礼賛する人たちに支持されて
お腹を満たしているのがうちの国の首相なんだからなあ…。
そりゃ、お腹弱いよね。胆力もないしさ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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